🌍 クリマニュース 第5号
特集:物流×カーボンクレジットの新しい形へ──吉田運送との提携が始動
🔍 特集:物流×カーボンクレジットの新しい形へ──吉田運送との提携が始動
KlimaDAO JAPANは、物流ソリューション企業の吉田運送株式会社と提携し、ドライポートとコンテナラウンドユース(CRU)を活用した新しい脱炭素モデルの実装を進めています。
ポイントは「空のコンテナを走らせない仕組み」です。
従来、コンテナは港で荷下ろしをした後、空のまま内陸まで回送し、再び港に戻すという“無駄な往復”が多く発生していました。これが燃料の無駄遣いとなり、CO₂排出の一因になっています。
今回の取り組みでは、内陸部のドライポート(内陸型コンテナターミナル)にコンテナを一時保管し、近隣企業が共有して再利用できるようにします。つまり、港に戻さずとも次の輸送にそのまま使える仕組みをつくることで、1往復分のトラック走行を削減できるのです。
この効率化によって削減されたCO₂量をデータとして測定し、国の「J-クレジット制度」に基づきクレジットとして認証・発行することを目指します。
さらにKlimaDAO JAPANは、これらの削減データをブロックチェーン上で透明に記録し、第三者が検証可能な「デジタルクレジット」として管理します。これにより、実際の削減効果が確実に可視化され、企業間での取引や地域内の還元に活用できるようになります。将来的には、削減によって生まれた価値をドライバーや物流事業者に「リワード(報酬)」として還元する仕組みも検討しています。
この取り組みは、物流の現場から始まるデータに基づく脱炭素化の実証モデルとして注目を集めており、すでに「LOGISTICS TODAY」や「LNEWS」などの主要物流メディアでも報道されました。業界からの反響も大きく、持続可能な物流インフラの構築に向けた期待が高まっています。
🔗 詳細はこちら:プレスリリース全文(PR TIMES)
📄 関連報道:LOGISTICS TODAY|LNEWS
文・構成:濱田翔平(KlimaDAO JAPAN株式会社)
📰 今週の注目ニュース
■ 走るほどにCO₂を減らす──マツダが描く「カーボンネガティブなモビリティ」
マツダは「ジャパンモビリティショー2025」で、未来の環境対応型コンセプトカー「MAZDA VISION X-COUPE」を世界初公開しました。注目すべきは、同車が採用する微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料と、マツダ独自のCO₂回収技術「Mazda Mobile Carbon Capture(モバイル・カーボン・キャプチャー)」を組み合わせた革新的なシステムです。
この技術は、クルマが走行中に大気中のCO₂を吸収し、車両内の装置で回収・固定するというもの。燃料には、CO₂を吸収して成長する微細藻類から作られたカーボンニュートラル燃料を使用しており、「走ることで排出を上回るCO₂を回収できる=走るほどに大気をクリーンにする」という仕組みを実現しています。
■ 関西電力×東京きらぼしFG、「個人向けグリーン“普通預金”」を国内初展開
関西電力は東京きらぼしフィナンシャルグループと連携し、集めた預金を脱炭素関連の投融資に限定する「グリーン預金」を、国内で初めて個人向けの普通預金として提供します。きらぼし系デジタルバンクUI銀行と組み、11月初旬にも新サービス「CQ BANK」を立ち上げ。資金使途は再エネ発電所の新設、物流でのEV活用などに限定し、第三者評価機関の認証に基づく基準で案件を選定します。金利はUI銀行の通常水準、電気・ガス料金の口座振替などで最大4%のポイント還元を付与し、毎年5万口座の新規開設を目標に据えます。
個人が“預けるだけで脱炭素プロジェクトに資金が回る”導線を作る今回の取り組みは、家計の預金とGX資金需要を直結させる実装例。預金者の利便と透明性を保ちながら、地域の再エネ・EV化投資に資金を循環させる新しいグリーンマネーの形として注目です。
■ ギフティ、「よこはまグリーンPay」でJクレ活用の自治体施策に初採択──横浜の脱炭素行動をデジタル還元で後押し
ギフティは、横浜市の令和7年度「横浜グリーンエネルギーパートナーシップ事業」に「giftee for Business」が採択されたと発表しました。J-クレジット制度を活用する自治体施策での初提供となり、参加者に付与されるデジタルギフトボックス「よこはまグリーンPay」を通じ、dポイントやAmazonギフトカード、FamiPayギフトなど複数のキャッシュレスポイントへ交換できる仕組みを提供します。事業では、対象設備の導入家庭・事業者にポイントを還元。導入後はモニタリングデータを提出し、参加者が削減したCO₂量(環境価値)を横浜市が取りまとめ、J-クレジットとして大規模イベント等のオフセットに活用します。
市民・事業者の具体的な省エネ・再エネ導入を“見える”インセンティブで後押しし、都市の削減量をJ-クレへ束ねて地域内で循環させる実装モデルとして注目されます。
✏️ 編集後記:脱炭素の次なる主戦場──輸送・物流セクターへ
世界の輸送セクターは、エネルギー起源のCO₂排出量のうちおよそ20〜25%を占めており、そのうち約3/4が陸上輸送(自動車・トラック・バス)によるものとされています(出典:Our World in Data)。
これまで「産業」や「発電」分野が中心だった脱炭素の取り組みの中で、輸送・物流は燃料依存度が高く、構造的な転換が難しい領域でもあります。しかし今後は、ここへのアプローチこそが全体の排出削減の鍵を握ります。
トラックやコンテナ輸送、港湾物流などにおける空荷や回送の削減、電動化・燃料転換の推進、モーダルシフトの実装などは、排出削減だけでなく、サプライチェーン全体の効率化にもつながります。
“運ぶ”という行為を、環境価値に変えていく取り組みが、これからの脱炭素社会の鍵となりそうです。
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【PR】 Klima Research Institute(KRI)について
Klima Research Institute(KRI) は、KlimaDAO JAPAN株式会社が運営する
気候金融・カーボンクレジット・再生型経済(ReFi)に関する調査・分析・政策提言機関です。国内外の環境市場や制度動向を独自にリサーチし、企業・自治体・金融機関に対して脱炭素戦略やカーボンクレジット活用のコンサルティングを提供しています。
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🏢 発行体について
著者(発行):KlimaDAO JAPAN株式会社
協力:ReFi Japan
監修:Fracton Ventures株式会社
■ KlimaDAO JAPAN株式会社
Web3・ブロックチェーン技術を活用し、日本から気候変動対策を変革する企業です。グローバルで再生型金融(ReFi)を推進する「Klima Protocol(旧:KlimaDAO)」の技術を基盤に、日本市場に適したサービスやシステム開発を通じて脱炭素社会の実現を支援しています。
現在、カーボンクレジットをブロックチェーン上で取引できるマーケットプレイス「CarbonMall」の開発を進めています。
■ ReFi Japan
気候変動や社会課題の解決を目的に、日本でReFi(再生金融)の理解と実践を広めるWeb3コミュニティです。国内外のReFiプロジェクトを紹介し、日本におけるReFiエコシステムの成長をサポートしています。
■ Fracton Ventures株式会社
“Protocol Studio for Ethereum” を掲げる、日本初のCrypto特化型インキュベーター。
これまでに18のWeb3プロジェクトを育成し、グローバルに送り出してきました。
書籍『Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」』(かんき出版)の著者でもあり、DAO TOKYOなどのイベント開催を通じ、アジアのDAO/Cryptoエコシステムのハブとして活躍しています。
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