🌍 クリマニュース 第16号
特集:Azos Financeとは
🔍 特集:Azos Financeとは
ボランタリーカーボン市場(VCM)は拡大する一方で、「クレジットを買う/償却する」以外のユースケースがまだ薄く、流動性と資金循環が課題になりがちです。Azos Financeはこの点に対して、“気候資産を担保にしたステーブルコイン”という、DeFiらしい答えを出そうとしているプロジェクトです。
1. Azos Financeとは
Azosは、気候ポジティブ資産を担保としてドル連動ステーブル AZUSD を発行(借入)できるプロトコルです。サイト上でも「世界初の気候資産担保ステーブル」を掲げ、再エネやカーボンクレジット等に資金が回る設計をうたっています。
2. プロダクトの核は「Permissionless Credit」
ユーザーは担保を預け、AZUSDをミントして資金を取り出します(過剰担保・清算あり)。銀行審査ではなく、オンチェーン担保とルールで信用を作る“パーミッションレス与信”が中心です。
ここが面白いのは、担保を“環境価値のあるトークン”に寄せることで、インパクト資産を「使える担保」に変える点です。
3. 担保の入れ方に「評価フレーム」を持ち込む
Azosのドキュメントには、トークン化されたインパクト資産を担保採用するための評価枠組み(リスク分析)が整理されています。単に「良さそう」ではなく、流動性、価格、償却性などを見てオンボードする姿勢が明示されています。
4. Klima Protocol連携:kVCMが担保になる意味
直近の注目点が、Klima Protocolの次世代カーボントークン kVCM をAzosが担保資産として受け入れたことです。両者の告知では「kVCMをAzosに預けてAZUSDをミントできる」ことが示されています。
kVCMは、Klimaのトレジャリーに積み上がるカーボンクレジットを背景に、償却時にバーンされる“カーボン市場のインデックス”的設計だと説明されています。
つまり、カーボン資産(のバスケット)→担保→ステーブル流動性という回路ができ、クレジットが「買って終わり」から「金融の部品」へ近づきます。
5. 期待と論点
期待は明快で、①インパクト資産に流動性を与える、②保有者は売らずに資金化できる、③DeFiの需要が炭素資産側に波及する——という資金循環です。
一方で論点も同じくらい重要です。担保である以上、価格変動と清算設計が実需を左右しますし、裏側のクレジット品質や説明責任(何が裏付けか、どう評価するか)が弱いと“使える担保”になりません。Azos×Klimaは、VCMとDeFiの接続が「物語」から「運用」の段階に入る合図として、今年追いかける価値がある動きです。
文・構成:濱田翔平(KlimaDAO JAPAN株式会社)
📰 今週の注目ニュース
■ Puro.earth、CDRクレジットの“発行頻度”を上げる有償機能「Puro Issuance Plus」開始
Puro.earthは、エンジニアードCDRのCO₂ Removal Certificate(CORC)を、サプライヤーが必要なタイミングでより高頻度に“バッチ発行”できるプレミアムサービス「Puro Issuance Plus」を開始しました。生産からクレジット利用可能までの待ち時間を短縮し、売上化を早めることでキャッシュフローと計画性を高めます。発行は従来どおり第三者監査と検証済み量に厳格に基づき、要件自体は変更なし。MyPuro 2.0とdMRV Connect APIによるデータ連携・監査準備・ワークフロー最適化を土台に、“オンデマンド発行”に近い運用を目指します。対象は監査あたり1,000 CORC以上の工業規模サプライヤーなど、一定の運用・データ要件を満たす事業者です。
■ Koko Networks、ケニアで事業停止──「炭素クレジット販売の承認」遅れが直撃、クリーン調理の資金モデルに警鐘
バイオエタノールの調理燃料を提供してきたKokoが、ケニアで事業停止に追い込まれました。報道によれば、政府から炭素クレジット販売に必要な承認(レター)が得られず、主要な収益源が止まったことが引き金です。結果として約700人規模の雇用に影響し、利用者にも混乱が広がっています。
Kokoは、燃料やストーブを低所得世帯でも使える価格に抑え、その赤字分を炭素クレジットで回収するモデルでした。今回の停止は、クックストーブ/クリーン調理の「カーボンファイナンス依存」が、制度運用(特に国際販売の承認や規制)に左右されやすいことを浮き彫りにしています。
■ 大阪ガス株式会社、生成AIでクレジット品質を採点する「GreenChecker」を拡充──Jクレジット/JCMも評価対象に
大阪ガスは、生成AIを活用した世界初(同社調べ)のカーボンクレジット品質評価Webサービス「GreenChecker」を拡充しました。プロジェクトの計画書・報告書を複数基準と照合し、点数(絶対評価)や同分野内の順位(相対評価)、未達項目を短時間で可視化します。2025年夏頃から一般提供してきた同サービスは、従来のボランタリー中心(700超)に加え、約800件のJクレジットを含むコンプライアンス系(JCM等)も評価可能となり、計約1,500件の結果閲覧に対応。企業が“買ってから悩む”を減らし、より納得感のある調達判断を支える狙いです。
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Klima Research Institute(KRI) は、KlimaDAO JAPAN株式会社が運営する
気候金融・カーボンクレジット・再生型経済(ReFi)に関する調査・分析・政策提言機関です。国内外の環境市場や制度動向を独自にリサーチし、企業・自治体・金融機関に対して脱炭素戦略やカーボンクレジット活用のコンサルティングを提供しています。
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