🌍 クリマニュース 第15号
特集:Regen Networkとは何か
🔍 特集:Regen Networkとは何か
ボランタリーカーボン市場(VCM)は拡大する一方、「誰が・どこで・何を根拠に」削減/除去を主張できるのかという信頼の設計が常に問われます。Regen Networkは、その“信頼レイヤー”をブロックチェーン上の公共インフラとして組み上げようとしてきたプロジェクトです。
1. Regen Networkとは
Regen Networkは、再生型の土地管理で生まれる環境価値を、測定(MRV)→発行→流通→償却まで一気通貫で扱う仕組みを提供します。核になるのは①独自L1「Regen Ledger」、②クレジット基準と発行を担う「Regen Registry」、③売買・移転・償却ができる「Regen Marketplace」の3点です。
2. Regenの歴史(2017–2021)
構想は2017〜2018年にTerra Genesis Internationalの流れから生まれ、共同創業者Gregory Landua氏とChristian Shearer氏の課題意識(信頼できる生態系インパクトデータ不足)が起点です。運営母体Regen Network Development, PBCは2018年Q2に立ち上がり、2021年4月15日にRegen Ledgerメインネットが公開されました。
Regen LedgerはCosmos SDKで構築されたPoSチェーンで、メインネット後にIBC転送が有効化され、REGENはCosmos圏で移転可能になりました。
3. 土壌炭素×Microsoft
Regenの存在感を一段押し上げたのが、土壌炭素を対象にした「CarbonPlus Grasslands」です。リモートセンシングで土壌有機炭素を測り、コストを下げつつ厳密性を担保するアプローチを掲げ、Microsoftへの土壌炭素クレジット販売として公式に発表されています。
4. 2022–:マーケットプレイス化とレジストリ標準
2022年10月にRegen Marketplaceが公開され、オンチェーンでクレジットを「買う/売る/償却する」導線が整いました。Marketplaceは、クレジット基準のガバナンスと発行がオンチェーンで行われるRegistryシステムと統合されている点が特徴です。公開時には都市森林クレジットのCity Forest Credits(CFC)を取り込み、都市の樹木保全・再植林を扱う市場づくりも打ち出しています。
またRegen Registryのガイドでは、自然由来(Nature-based)を前提に、GHG削減・除去だけでなく生物多様性/生息地、水質など複数のエコシステムサービスを扱えると整理されています。
5. 現在地:独自L1を核に、マルチチェーンへ
RegenはRegen Ledgerをコアに据えたまま相互運用で広げる戦略を採っています。2023年の回顧記事では、Toucan Protocolと連携し、Polygon側からNature Carbon Ton(NCT)をブリッジしつつ、Osmosis DEX上でカーボン流動性プールをつくったことが触れられています。また現在REGENトークンはBaseチェーン上でも流通しています。
さらにRegen Ledgerはアップグレードが進行中です。2026年1月のv7.0.0アップグレード提案では、Cosmos SDK v0.53やIBC v2、IBC Wasm Clientなど“接続性”を拡張する更新が掲げられています。
🔗 参考記事:
文・構成:濱田翔平(KlimaDAO JAPAN株式会社)
📰 今週の注目ニュース
■ ホーチミン市、カーボンクレジット取引プラットフォームを優先整備へ
ホーチミン市は2050年ネットゼロ達成に向け、グリーンファイナンスとカーボンクレジット市場を一体で進める方針を示し、透明なオークションと注文マッチング(板寄せ)を備えた取引プラットフォームの整備を優先するとしました。2025〜2035年のグリーン転換には最大900兆VND規模の資金が必要で、公共予算は“シード資金”として最大2割程度にとどまる見通しのため、残りはPPPなど民間資金の動員が前提です。取引方式は現物、需要に基づく先売り(予約契約)、オークションの3本立てを想定。さらにブロックチェーンによるデジタル管理で改ざんや二重計上リスクを抑え、クレジット市場収入を気候・デジタル・循環経済へ再投資する「回る仕組み」も視野に入れています。
■ タイkubix×TGO、レジストリ連携を共同検討
カシコン銀行グループのICOポータル「kubix」は、タイ温室効果ガス管理機構(TGO)と戦略連携し、カーボンクレジット・レジストリを統合デジタル基盤に接続する実現可能性調査を開始しました。中核はTGOレジストリとのAPI連携で、将来的なトークン化(Carbon Credit Token)を見据えた“つながるインフラ”づくりを狙います。狙いは4点で、①DvP(同時履行)により引渡しと支払いを同時に行い決済リスクを低減、②ブロックチェーン記録で透明性・追跡性を高め二重計上や入力ミスを抑制、③トンからkgへの小口化で参加障壁を下げ流動性を拡大、④新しいグリーン金融商品の開発余地を広げる、という整理です。TGO側も国内VCMの活性化とASEANの取引ハブ化を掲げ、関連当局と連携しつつ制度整備を進める構えで、2027年施行見込みの気候変動法も視野に入っています。
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